南部俵積み唄

ハァー春のはじめに この家旦那様サ
七福神のおともをして コラ 俵積みに参りた

ハァーこの家旦那様は 俵積みが大好きで
お国はどこかと お聞きある コラ
私の国はナァー コラ 出雲の国の大福神
日本中の渡り者 コラ 俵積みの先生だ

ハァーこの家旦那様の お屋敷をば見てやれば
倉の数は四十八 コラ いろは倉とは このことか
一の倉は銭倉(ぜにぐら) コラ 次の倉は金倉(かねぐら)
次のお倉は宝倉(たからぐら) コラ 次の倉から俵倉
俵倉には米を積む コラ
七万五千の御俵(おんたわら)をば 七十五人の人足で
大黒柱を取りまいて コラ 背戸から千石 窓から万石

ヤッコラセの掛け声で コラ 棟木(むなぎ)までよと積みあげた
さても見事に積みあげた コラ おほめ下んせ旦那様
コラ お祝い下んせ嬶(かか)さま

ハァーめでたいな めでたいな
この家旦那様は 億万長者と申される
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