朝のスキマから

湿った歩道を登ってく
誰かの影ぼんやり揺れる
蒸気に煙草の色を重ねて
とぼけた顔容赦なく照らす

グレイに新しいインクをこぼした
広がったブルーっすね
急いだ足元に心地好い光
注いでる

手の届くようなその先に
下らない話があって
巻き込んだ風に押されてく

朝のスキマから
遠く遠く叫び覚ます声がする
さまよう時間さえないほど
当たり前の始まり

目を覆うようなその先に
ひどすぎる話は無くて
差し込んだ光に包まれる

朝のスキマから
遠く強く動き出す衝動に
傷つく時間さえないほど
新しい朝の始まり
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