真冬のオン・ザ・ビーチ

誰もいない
冬の浜辺にふたり
夏には見えない
素顔の波の声
聞きたくて

聞こえてくる
この砂に埋ずもれた
恋人たちの声
洗い流してる
無口な波の息づかい

遠いその昔から
ただ寄せては返し
深い海の底へと
思い出を運び続けてる

つぎの夏は
ここには来ないよ 俺
捨てたくないんだ
今度出会う恋
二度と離したくない

誰もいない
冬の浜辺にふたり
夏には見えない
素顔の海の声
聞きたくて

聞こえるかい
重なる波の音の
中から小さく
夏の思い出が
海に溶けるあの音

長い歳月(としつき)には
夏と同じ数の
暗い冬があること
忘れてないさ今の俺は

つぎの夏は
ここには来ないよ 俺
終らせたくない
目の前の恋を
二度と離したくない
×