はあとふる

子供の帰った教室で
机をながめてセンチメンタル
誰かが磨いた花瓶から
季節が黙っておじぎしてるよ

人生を教えるなんて
飛ぶ鳥に行方を聞くようなものさ
外は俄か雨 何故か通り雨
しまった 傘を忘れて来たよ

「先生 さよなら」「先生 また明日」
「先生 傘持ってないなら入れてってあげようか」
「そか ありがとう でもこの傘子供用だから
しゃがんで歩かなきゃいけないな」

鉛筆かたかたひびかせて
舗道にいくつかランドセル
寄り道するなよ 青春の
二、三歩手前の命たちよ

やさしさを教えるなんて
咲く花に名前を聞くようなものさ
外は俄か雨 何故か通り雨
しまった 靴が水びたしだよ

外は俄か雨 何故か通り雨
しまった 靴が水びたしだよ
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