熱海あたりで

「あの日から、この心が、言うことをきかないのです。」

恋の行方を 占うように
街の灯りが ゆらゆらと
言葉にならない せつなさ抱いた
女心が 見えますか
情けかわした 坂の町
いっそ今夜も 次の夜も 熱海あたりで

雨ににじんだ 初島あかり
揺れて來宮神社(きのみや) 思い糸川(がわ)
夜風に迷う 湯の香のような
女心は 悲しくて
恋の名残りを 抱きしめる
いっそ今夜も 次の夜も 熱海あたりで

「そう、心はうそをつけません。」

尽きぬ慕(おも)いを 溶かしてくれる
まつり囃子や 波の音
すがって甘えた 一夜(ひとよ)の夢に
女心も 濡れてます
時の流れに よりそって
いっそ今夜も 次の夜も 熱海あたりで
×