くちなしの花

いまでは指わも まわるほど
やせてやつれた おまえのうわさ
くちなしの花の 花のかおりが
旅路のはてまで ついてくる
くちなしの 白い花
おまえのような 花だった

わがままいっては こまらせた
子供みたいな あの日のおまえ
くちなしの雨の 雨のわかれが
今でもこころを しめつける
くちなしの 白い花
おまえのような 花だった

小さなしあわせ それさえも
捨ててしまった 自分の手から
くちなしの花を 花を見るたび
淋しい笑顔が またうかぶ
くちなしの 白い花
おまえのような 花だった
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