潮騒

ひとつに空と海が溶け あかね色に染まりはじめ
すべてをやさしく 包んでゆく

いつしか忘れかけていた 過ぎた日々がめざめる
淋しすぎる 夕陽のせい

もう一度だけ帰れるなら あの日 貴方の胸に
迷わないでまっすぐに とびこんで 心をあずけたい

遠いあの夏へ続く 潮騒を聞きながら
愛のきらめきが胸に 静かに打ち寄せる

季節の終りはふたりの 許し合えた短い日に
小さな翳りの 影おとした

若さが無口にさせたね うしろ姿見ていた
通り過ぎる 風の中で

もう一度だけ戻れるなら あの日 貴方の胸に
ためらわずに思いのまま うちあけて 心を重ねたい

蒼く透き通る夏の 潮騒を聞きながら
濡れたまなざしに映る なごりを抱きしめて

遠いあの夏へ続く 潮騒を聞きながら
そっと月明かり揺れて 私の夏が行く
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