百年の満月

終わりの来ない夜を
願う恋人たちの
瞳はとても小さな
月でできてるね

まばたくたび満ちてゆく
すべて忘れないために
あたたかく薫る闇を
やさしく照らすために

百年が過ぎ 全て消えても
僕の想いこめて その月は昇るよ

青く水に沈んだ
庭にたたずんで
あなたを抱きよせたなら
開いてゆく夜

指先はいつも脆い
カタチなぞるだけ けれど
確かなものはすぐに
この手を離れるから

夜の光に 浮かびだすもの
それだけを信じて あの月は昇るよ

永い時がたてば
あなたのことさえ
誰も知る人は去って
名前さえ消えて

二人のあと追いかけて
吹いてた風さえ
もうどこにも見つからなくて
それでも日々はすぎて

あの月だけが 光の中に
恋人たちの夢 ただ抱きしめてるよ
百年が過ぎ 全て消えても
この僕の想いは空を駆けているよ
×