ショパンと氷の白鍵

赤レンガくぐった 転びそうな木ぐつ
オルガンが響けば 雪の絨毯に覆われる

世界中から愛された夜は 街を七色に彩った
世界中から放り出された 夜はどこへ行こう

夢の3番地 眠気の角 1010時 待ち合わせ
鍵盤は氷のように冷たい音がした
そう 紡いでいく 君と僕と寄り添った二つの記憶
だからもうちょっと 眠らせて

―出口のない空がどこまでも広がる―
―君と歩いた世界はここにはないのに―

早咲きに隠れた あの空を亡くして

目が覚めたらパジャマのまま 君の好きなショパンを弾こう
パンケーキと雪で淹れたモカでいい?

また明日から冗談で笑いあえる?
鍵盤を叩くたび 調律をしなきゃ 僕ら 時がずれていく
うん わかっているよ 時計が動く もう何で 泣かないでよ
僕は大丈夫 大丈夫

降りしきる 雪のヴェールに包まれる君は
―運命は変えられないんですか―
透明で とても綺麗で 見とれそうだよ

―永遠なんて芸術においては死ぬことと同じだ―
―それでも
×