うずしお

まるで異国へ旅立つような
重い鞄を小雨が濡らす
船が港を離れたとたん
見送るあなたと他人になるの

どこで荷物をほどいたらいいの
愛にはぐれりゃみんなみなし児
止めるあなたを捨てたのに
未練が 未練が
荒波燃やし渦を巻く

かすむ岬の灯りがつらい
昨夜(ゆうべ)最後のなぐさめをした
もっと私に意気地(いきじ)があれば
あなたが立派になるまで待てた

死んだつもりで追いかけた男(ひと)
一緒になったら泣かされ通し
止めるあなたを捨てたのに
霧笛が 霧笛が
過去へと船を呼び戻す

どこで荷物をほどいたらいいの
愛にはぐれりゃみんなみなし児
止めるあなたを捨てたのに
未練が 未練が
荒波燃やし渦を巻く
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