愛の旅人

風にちぎれた落ち葉が 旅行鞄にまとわり
どこへ向かえばいいのか 名前知らぬ駅よ
木枯らしを 追いかけて 雪が舞い散り
悲しみが 降りそそぐ 髪に肩に
許される ものならば 時間(とき)を戻して
あなたしか この胸は 愛せないの

あなた忘れるそのため ひとり出かけた旅なの
遠く離れて気づいた こんな愛の深さ
ガラス窓 なみだ文字 指でたどれば
むなしさが 込み上げる 暗い夜汽車
さよならの あの言葉 嘘と答えて
あなたしか この胸に 宿せないの

どこまでも 面影が 線路ゆらして
悲しみで 見えないの 旅の終わり
許される ものならば 時間(とき)を戻して
あなたしか この胸は 愛せないの
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