湯布院有情

あなたが泊まった宿の灯を
映して揺れる金鱗湖
旅の人には 惚れてはだめと
心に決めた はずなのに
ああ、恋の蛍火乱れ舞う

二人でゆられた 辻馬車の
ひづめの音が よみがえる
源流太鼓を 遠くに聞いて
あなたの胸で 夢をみた
ああ、思いで浮かぶ白滝川

せつない女の ためいきが
霧をこんなに 深くする
山肌燃やす ゆ文字焼きは
湯布の女の 身を焦がす
ああ、一人待ちます湯の町で
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