夏のまぼろし

「7月に入ったら船に乗って海に行こう 誰もいない静かなビーチで
言葉のいらない景色だけ追いかけて ゆっくり過ごしていよう」
カレンダーめくったら 長い横矢印で 書き込んだのは君だったっけ
消すのも癪だし 一か月ぐらい我慢して見ないように過ごしていよう

探せないものならあきらめもつくけどさ
なくしたところに 置いてけぼりかな 忘れただけかな

きらきらと光るのは夏の幻 ぼんやりと灯るのは涙のせいかな
ゆらゆらと陽炎が僕を笑って 手が届かないところへ 君を泳がせたのさ

サンダルの裏にはさまった石の粒 あの砂浜の星の砂
小さな瓶に入れて いつか一緒に返そう 君はいつも笑ってた

いつでも君が僕を見つけてくれた
なくしたところで 探しているかな もう戻れないかなあ

きらきらと光るのは君の幻 さびしくて胸の中 風が吹いてる

きらきらと光るのは夏の幻 ぼんやりと消さないで 走る想いのまま
ゆらゆらと陽炎が僕を笑って 手が届かないところへ 君を泳がせたのさ
君は夏の幻
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