陽炎

あなた遠くへ逝ったのは
六月のわり蒸し暑い
そこにはもう居ないのに
あなたの手を握ってた

あなたを憎んだことばかり
離れてくらした日もあった
それでも私の気持ちはずっと
あなたの方を向いていた

許せないことばかり
多すぎたからかしら
しばらくは面影も見ないようにしてたみたい

でも、あなたの残したセーターの
袖を折って着てます
私でも知らないこの想い
言葉に表すことできません

一人が慣れたこの家も
あなたの写真がある部屋も
住み慣れた場所の近くに
引越ししようと思います

思い出は楽しいと
人は呼んでますか?
私には思い出に陽炎が舞っています

でも、あなたの好きな洋菓子を
今日も買って帰るの
私にも見えない思い出が
記憶のどこかにあるのでしょ

笑顔だけで他の女(ひと)
たぶらかしてばかり
手鏡が映すのは泣き腫れた私だった

でも、あなたの残したセーターの
袖を折って着てます
私でも知らないこの想い
言葉に表すことできません

私でも知らないこの想い
言葉に表すことできません
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