シャワー・ルーム

そのシャワー・ルームに
落ちる滴が
響くだけの静けさ
ひとりでいると

もう過ぎ去った
むなしい想い出
せめて夕闇融ければ
まぎれる心

そして
書きかけの小説
一コマをすすめて
安らぐとき

あんな奴と思っても
残り火が まだ揺れて
ふいに逢えば
やさしさと気まぐれに
粉々にされてしまう

問いつめてみたいけど
目をそらし たわむれの
言い訳ばかり
強がりなふりをして
ひきとめも しないまま
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