股旅

男渡世の しがらみゆえに
日陰街道 流転笠
ぐちじゃ弱気じゃ なけれども
時雨しょぼつく 日の暮れは
泣けてきやんす 泣けてきやんす 股旅ぐらし

すったもんだの 修羅場を越えて
くぐる宿場の 繩のれん
五臓六腑に しみわたる
酒は男の 子守唄
明日は晴れやら 明日は晴れやら 又雨じゃやら

世間うらむな 手前をうらめ
故里(くに)の親父の どやし声
芒葉末(すすきはづえ)に 聴く夜は
俺も人の子 人並に
詫びておりやす 詫びておりやす 股旅鴉
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