夏の記憶

始発のベル 響き渡ると
振り向き 小さく 手を振った

電話じゃなくて 云いたかったこと
胸の奥で つかえたまま

自分さえもまだ うまく愛せないのに
人を愛するのは とても難しいから

遥か 遠い 夏の記憶
まだ何か 探すけれど
永遠なんてないと 何時から
気付いていたんだろう

変わらないこの暮らしが
互いを駄目に するなら

微笑んで せめて最後は
ふたりで決めた 別れに

君を支えてるのは もう僕じゃない
君の未来なんだね 強く抱きしめても

通り雨が やがて僕らの
足跡 消してゆく
どんな理由で 争ったのかも
想い出せなくなる

雲の切れ間 朝日が差して
一日が始まる
誰も 違う悲しみ負って
今日を 生きてゆく
あの 遥か 遠い 夏の記憶
まだ何か 探すけれど
永遠なんてないと いつから
気付いていたんだろう
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