倉敷情話

紅い雨傘 白壁に
咲いて哀しい 浮世絵の街
旅のお人と 知りながら
解いて結んだ おんなの操
倉敷は 倉敷は
おんな恋する なみだ町

柳並木の その先を
右に曲がれば 思い出の宿
どうか私と この町で
生きて欲しいと縋(すが)ったものを
倉敷は 倉敷は
おんな泣く町 川の町

鰆 ままかり 瀬戸の酒
今日もあの夜の 灯りが滲む
いのち二つに 引き裂いて
放り投げたい 鶴形山よ
倉敷は 倉敷は
おんな切ない 未練町
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