EYE

まだ 何も知らない
まだ 何も見ていない

ああ、
閉じた瞼の奥で
はじまりを 描いている

ぼくはまだ
この世界を なんにも 知らない

ぼくは 見たい
恋する小鳥が うつくしく うたうのを
ぼくは 見たい
星がいちばんに かがやいて墜ちるのを
ぼくはまだ
何も見ていない
ひとり 夢の中

ねえ おとぎの国は
まだ ぼくを待っているかな

あの詩人がうたった
あこがれは どこにある?

目も くらむ ような
一瞬に であってみたい

ぼくは 見たい
さなぎ すりぬけて 蝶がはばたくときを
ぼくは 見たい
咲き誇る花が あざやかに散るときを
ぼくはまだ
何も見ていない
未だ 夢の中

ぼくは まだ
この世界を ぼくを
見捨てない

ぼくは 見たい
きみが 微笑んで ぼくの名を呼ぶときを
ふれる 指が
きみの その頬が 色づいた瞬間を
まだ見ない
きみを ゆめみてる
目を閉じた まま
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