むさし野詩人

繁華街から静かな道へ
あなたの涙たどって行くよ
灯りの浮かぶ公衆電話
今はあなたの影も見えない
むさし野公園ひとりきり
あなたの想い出集めたよ
20才の春ははかなくて
生きてる事は哀しい詩だ
15行目から恋をして
20行目で終ったよ

映画帰りにここまで来たね
ラブ・シーンには顔を伏せてた
染まった頬のうす紅色が
池の夕陽にこわれて揺れた
むさし野公園ひとりきり
芝生を横切る長い影
20才の春は短かくて
お見合いの事悩んだあなた
あの時ぼくがなぐったら
あなたはついて来たろうか

むさし野公園ひとりきり
再びここには来ないだろう
20才の春は淋しくて
手を花びらがすり抜けてゆく
恋を失くした人はみな
寒い詩人になるという

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