カフネ

どうして笑うのさ 指先でなぞる夜は更けて
大きすぎるこの世界の隅で 心は溶けて行く

枯れない花が 雨を弾くように
大切なものが 零(こぼ)れてしまった

いつのまにか一人きり 遠くまで歩いてた
忘れてた 本当の僕の声 不思議な気持ちで
長い夜の 明けたあと 思い出す夢のように
懐かしい 永遠に身を委ね また歩き出せそうだ

僕にはわかるのさ 君が生きるその意味も
凍える静寂のその途中で 出会ってしまったのだから

白い鳥が 空に沈んだあと
大変なことに 気づいてしまった

いつのまにか 僕の手に 余るほど愛してた
それでもいい 精一杯背伸びして 抱きしめたいんだ

重なり合う二人の影 繋いで歩いてゆく
街の音消えてゆく そっと滲(にじ)んでゆく 痛みを前にして

いつのまにか 僕の手に 余るほど愛してた
それでもいい 精一杯背伸びして 抱きしめたいんだ
マーマレードの夢を見て 本当の君が笑う
暖かい 永遠に身を委ね 眠る君を見ていた
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