はつかり5号

発車のベルに 背中を押され
はつかり5号に 乗りこみました
今頃君は いつもの店で
約束通り 待っていますか
プラットホームの あのひび割れが
心の中に ひろがります

幸せにする 自信がなくて
君から離れた 旅の宿
駅までむかえに 来ていて欲しいと
いつか手紙を 書いていました
雪どけ水の 流れの音に
季節はずれの コタツが一つ

なにに たとえたら
流れる 景色の色を
なにに たとえたら
僕の心の この色を

上り列車の レールの音が
はやる気持ちを きざんでいます
終着駅を まぢかにひかえ
ひと駅前から 乗ってきた君
僕をみつけた そのまなざしが
すべてをすべてを 語っています

なにに たとえたら
流れる 景色の色を
なにに たとえたら
僕の心の この色を
×