火の国の女

肥後(ひご)は火の国よ 恋の国
燃える中岳(なかだけ)よ 胸こがす
一つしかないこの命
くれというならくれてやる
熱(あつ)か 熱か こころもからだも 熱か
惚れた女(おなご)を抱きたけりゃ
火傷(やけど)かくごで 抱かんとね 抱かんとね

肥後は湯の里よ 滾(たぎ)る国
菊池 地獄谷 血がさわぐ
たとえ血の底 針の山
来いというならついてゆく
熱か 熱か 情念(おもい)も涙も 熱か
恋は一生ただひとり
それでよかなら 抱かんとね 抱かんとね

熱か 熱か 枕も吐息も 熱か
うちはひとりじゃ よう寝れん
月にかくれて 逢いに来い 逢いに来い

熱か 熱か こころもからだも 熱か
闇を流れる火の河で
うちはあんたの 夢をみる 夢をみる
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