アルカード

街はざわめく
10月の最後の夜
きみは牙を出し
夜に消えていく

かわいいあの子に
なりたかったあの日
きみを見てると
ぐしゃぐしゃにしたはずの
自分を思い出す

噛み付くフリして
首すじにキスを
やさしさ隠して
この街に生きてるの?

マントに隠れた
きみの高い体温
右目の黒子が
泣いてるみたいね

誰もが振り返る
きみの美しい顔
心をあげないように
嘘ばかり探している
ネオンが揺れる

愛するフリして
噛み付いては苦しんで
涙を隠して
この街に生きてるの?

ねぇ私とワルツを
一度きりでいいから
きみのやさしさで
傷付いてみたいの

傷付けてほしいの
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