恋次郎旅姿

まっぴらご免(めん)と 故郷(ふるさと)捨てて
旅にでました 東海道
箱根越えれば 糸切れ凧で
風の吹くまま 東へ西へ
夢も半端な 恋次郎
明日(あす)は雨やら 明日は雨やら アアンアアンアンアン 曇りやら

七里(しちり)の渡しを 日暮れに越えりゃ
石の地蔵が 母の顔
そうは桑名の 焼ハマグリと
そっと拳(こぶし)で 拭(ぬぐ)った涙
知らぬ他国の 恋次郎
なんで今更 なんで今更 アアンアアンアンアン 里ごころ

ちょっくらご免(めん)と 大手を振って
雲と道づれ 気まま旅
鈴鹿峠(すずか)こえれば 明日(あした)は草津
京の都じゃ あの娘に逢える
浮かれトンビの 恋次郎
草鞋(わらじ)結んで 草鞋結んで アアンアアンアンアン 急ぎ足
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