ブラッドオレンジ

夕焼けのオレンジ 拾った古い自転車 大袈裟に はしゃいでる君の声
さよならが言えない 代わりにペダルを 力一杯踏み込んだ
県営団地を過ぎて 商店街を曲がって 坂道 来た道 登っていく
苦しいなんて言うなよ 息苦しい毎日に さよならしに来たんだよ

頂上と麓のちょうど真ん中にある 生まれ育った街を見渡せる場所から
君と見るこの景色を 僕は忘れない

僕らが抱えた痛みは 空を真っ赤な色に染めた
僕らがこの街を 旅立つ今日に滲んでいた ブラッドオレンジ

列んでるランドセル こっから見ると蟻みたいだ
懐かしい 通学路 指でなぞる
駄菓子屋 噴水 鬼ごっこ そうだよな 寄り道を繰り返してた気がするよ

この道を二度と通る事はないけれど 駄目になりそうな時に思い出すだろう
遠回りを冒険と呼んだ日のことを

僕らが抱えた痛みは 空を真っ赤な色に染めた
不安に染まった 夢や希望 ぜんぶ握って
さぁいこうか 全開で てっぺんへ 加速度を上げたベクトルで
重いペダルと 旅立つ今日に 滲んでいたブラッドオレンジ

落ちてく西日が影を伸ばしてる 僕らの距離をちょっと短くしている
さよならを前に君の両目も 赤く滲む すべてが滲む

僕らが抱えた痛みは 空を真っ赤な色に染めた
僕らがこの街を 旅立つ今日に 滲んでいたブラッドオレンジ
滲んでいた ブラッドオレンジ
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