さよならガール

通い慣れた道、ほつれた制服、何気なく過ぎた時計の針。
名もなき青さは思い出という名の花束となり色付いてく。

リュックの中にクラッカーと一緒に詰めた、
夢や希望、色褪せることなき日々。

雨あがりバス停でマフラーを外した、さよならガール。
君はその目に何を映してゆくのだろう。

三月の曖昧な毎日にさよならがある。
春めいた町、桜待ち、君だけのストーリー。

汚れた自転車、すり減ったローファー、はしゃいで写した手ぶれ写真。
春が来る度に思い出すだろう。冬が終わる度に思い出すだろう。

積み木のように危うく重ねて来た日々は、
危ういまま、かけがえなき日々になる。

さよならを繰り返し、さよならを積み重ね、さよならガール。
君はその目に何を映してゆくのだろう。

三月の不確かな毎日にさよならがある。
見上げた空、虹を待つ、君だけのストーリー。
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