片恋岬

ため息 ひとつ またひとつ
霙 北風 睫毛が凍る
あんたの胸で 素直に泣いた
遠いあの日の ぬくもりを
抱いて 抱いて 抱いて
抱いて 抱いて 抱いてみつめる
…沖を行く船 片恋岬

さすらう 果てに 行きついた
流れ水藻に 小さな陽ざし
そそいでくれた 男の強さ
生きてゆく気に させたのに
夢は 夢は 夢は
夢は 夢は 夢は 三日で
…波が引いてく 片恋岬

すがれば 指の すき間から
砂がつめたく こぼれるように
逃げてゆくのね いのちの恋は
ひとつ残った はまなすの
花が 花が 花が
花が 花が 花が ふるえて
…涙ぐませる 片恋岬

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