越前挽歌

哭くな荒磯(ありそ)の海燕 夕陽が落ちる
ひびけ男の嘆き唄 越前岬に
いまさら呼んでも 還る女か
泣くため生まれて来たような
おまえのふるさとにゃ
似合いすぎる 暗い海だ 日本海だ…

雪子…雪子
何故に この世を捨てた

燃えろ手向(たむ)けの彼岸花 口紅色に
吼えろ東尋(とうじん)波しぶき 夜をつんざいて
泣きごとならべて もどる夢か
私が死んだら ふるさとの
あの波に抱かれて
眠りたいと いった海だ 日本海だ…

雪子…雪子
海が見えるか 雪子
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