海とダイヤ

遠い海辺で 君は愛を誓う
私の知らない誰かとキスをする
17歳の夏の思い出が 波のように押し寄せる

蜃気楼追いかけて 自転車のペダルを漕いだ
汗ばんだ胸を隠して 水しぶき 裸足でかけていく

短い髪が好きだと言った
恋して 恋して 憎んで 恋した
濡れた睫毛が近くて目を閉じた
恋して 恋して 恋をしていた

錆びた記憶の 潮風にむせる
昔と変わらないくせ毛が懐かしい
古い傷口 沁みるくらいに ぬるいまま残ってる

冷えてきた海水温 少し暗い湿った砂浜
水平線 君の背中に陽が沈む 帰りたくなかった

焼けた素肌が優しく触れた
恋して 恋して 憎んで 恋した
また来ようねと ふたり 指切りした
恋して 恋して…

秋も冬も越えて春に別れは来てしまった
悔やんでも 悩んでも 求めても 終わった
息を止めても 青いまま 離れない
恋して 恋して 恋をしていた

遠い海辺で 君は愛を誓う
私も知ってる無邪気なあの笑顔で
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