糸電話

コールは鳴らないけれど
呼んでいるって わかったの
私が架けても すぐに
優しい返事が 聞けた

お互いに受話器を 引き合って
ふたりを繋いでる
張りつめた糸は 赤く震えていた

君が話せば 私 耳あてて
私が話せば 君 耳あてて
長電話も おやすみ だけの夜も
耳元 囁く 声が 幸せ

もしもしもしもしもしもしもしもし

他愛のない話ほど 数えきれない
だけど スキとか そばにいてとか
肝心な事は 言わなかった
近すぎて弛んでしまう 糸電話でした

寂しい夜に 何度も取り出した
記憶は擦り切れて
思い出すだけじゃ 何も満たされない

君の話が 聞こえたフリして
私も話してた ちゃんと引っ張って欲しいと
チグハグな会話じゃ 伝わらなくて
それでも たぐる先の
笑顔 信じてた

もしもしもしもしもしもしもしもし

離れすぎて切れちゃったのかな
手を離して しまったのかな

君が話せば 私 耳あてて
私が話せば 君 耳あてて
たぐり寄せた糸には
何の手応えもなかった

君の持っていたはずの 片方が
ほつれた糸の隣で
カランと 転がってた

もしもしもしもしもしもしもしもし
もしもしもしもしもしもしもしもし
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