あゝ田原坂

雨はふるふる 人馬はすすむ
かわい稚児(ちご)どんが ぬれて行く
あゝ散るが花かよ 田原(たばる)坂

下げた血刀 笑うて振れば
風にとぶとぶ 乱れ雲
あゝ屍(かばね)さらすか 田原坂

我が胸の
燃ゆる思いに くらぶれば
けむりはうすし 桜島山

どこで散ろうと 男の生命(いのち)
啼くな雲間の 時鳥(ほととぎす)
あゝつきぬ恨みの 田原坂
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