ほどよい大きさの漁師の島

座る机を 三つ担いで
川を下り
壊れた船を 四つ繋いで
海を渡る
椅子はいらない 立ったままでいい
五日ぐらいは
六日経って ぼくらはちょっと
溺れたよね

ほら ジンを飲み ワインを飲み
息続けよう
ほら ジンを飲み ワインを飲み
生き続けよう

真っ白な手 握りしめ
月と星とが 消えぬように
太賜が 昇っても
目をまばたけば 瞬くんだ

ほら ジンを飲み ワインを飲み
行きそびれよう
ほら ジンを飲み ワインを飲み
生きそびれよう

ほどよい島が 七日目には
見えてきたよ
贅沢なんて 言ってられない
酒が無いし
どこの領土か なんて知らない
荷物下ろし
望みどおりの 場所なんて
どこにも無い

ほら ジンが無い 漁師に会って
机並べ
ほら ワイン買って 漁師連れて
次の島へ
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