NATASHA

モスクワを出たナターシャは
南の島の牧場で
姉の手紙を読んで泣いた
重いコートのイリーナは
雪にうもれた広場で
ウォッカのビンを抱いてひとりつぶやくよ
ああ 靴をくれ
歩くために 靴をくれ
強い靴をくれ

二年見習いのシンディは
歯ブラシをくわえたまま
熱いシャワーで夢をさます
リムジンのなかのジャスティンは
かたいガムを噛みながら
卒業式の夜を思い出してる
ねえ 花をくれ
色のついた花をくれ
淋しいから そばにきて
抱き締めて つれてって
青空の 見える場所まで

ああ 靴をくれ
ああ 花をくれ

WHAT EVERYBODY WANTS
WHAT EVERYBODY NEEDS
WHAT EVERYBODY'LL LOSE SOME DAY

閉めた扉が開かない
帰り道がわからない
なくしたものは数えきれない
モスクワを出たナターシャは
南の島の牧場で
姉の手紙を読んで泣いてる
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