灯火のまにまに

そっと心の奥 光宿した
灯火のまにまに

立ち込める八重霞(やえがすみ) 彷徨い歩き
淡き夢から覚め

ひとすじ頬伝った涙の痕
滲んだ世界を彩る影

夜の帳 揺れる鬼火 遠い日の記憶
隠世(かくりよ)へ誘え

ゆらり ゆらり 舞い散る桜
心を薄紅に染めゆく想い
あなたの横顔 月夜が照らし出す 見上げれば
きらり きらり 願いの欠片(かけら)
幾千の星の様に煌めいて
心の宵闇に朝日が昇るよう 灯火のまにまに

遷ろいゆく時の風 出会い別れ
巡り巡りて また

花咲き 実を結び 枯れた月日
あの日 微笑む アナタの影

向かう先に 立つ篝火(かがりび) 浮かぶ宙船(そらぶね)よ
現世(うつしよ)へ誘え

くるり くるり 渦巻く輪廻
感情の波が寄せては返して
貴方の瞳に 映りしこの笑顔 信じれば
ひらり ひらり 落ちる雫が
木漏れ日の様に優しく包んで
心の傷跡 そっと消し去ってゆく 春風のまにまに

ひとつふたつ季節を重ね
みっつよっつと紡いだ絆
それはやがて 誰かの笑顔 咲かすでしょう

失うことは容易(たやす)いけれど
積み上げることに意味があるなら
アナタのそばにいる ただそれだけ

茜色に色付く空 長き夜が明けて

ゆらり ゆらり 舞い散る桜
心を薄紅に染めゆく想い
あなたの横顔 月夜が照らし出す 見上げれば
きらり きらり 願いの欠片(かけら)
幾千の星の様に煌めいて
心の宵闇に朝日が昇るよう 灯火のまにまに
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