髪の花

疲れ切って一人でいつまでもシャワーに背中打たれ
排水溝の君の髪の束がぼやけて花に見えた

今 朝までの幸せは二度と君とはもう作れない
浮かべている
君との何でもない特別な幸せを

会いたくて、うつむく
言葉が一つと浮かばなくなっても
それでも君と居たいから

言ってしまえば僕たちの気持ちの出会い方は
赤信号になったばかりの横断歩道で
目が合ったみたいなものさ

あと少しタイミングがもしずれてたら
僕らには正しくて誰にも責められない幸せがあったのかな

思い出して、うつむく
君との最後の朝が終わっても
それでも君と居たい、まだ

言葉に出来ぬまま僕から君を奪うように
荷づくりをする君と話してて、
眩しくなって目覚めたら

君の踵と目が合って
そっとドアを開けてあの人のものになっていく

君は正しい幸せを生きてよ

会いたくて、うつむく
誰かを傷つける幸せだとしても
それでも君と居たかった
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