今夜だけ浮かれたかった

今夜だけ浮かれたかった
ねえ わたしの真夏 どこ行った?
今夜だけ浮かれたかった
ねえ このまま帰るの

勇気だしてつけた香水 火薬の煙に消された
もっと近づきたいけれど
友達がいる夏がきらい

夜風は余熱を冷ます 人波は駅へ流れる
そっと触れてほしいけれど
汗ばんでるから夏がきらい

ああ あの子との会話には
間(あいだ)なんかないな
ねえ わたし ほんとうを言うと
このまま帰るの いや、いや…

今夜だけ浮かれたかった 真面目心がじゃまをした
今夜だけ浮かれたかった 口を滑らすはずだった
今夜だけ、今夜だけは

今夜だけ浮かれたかった
ねえ わたしの真夏 どこ行った?
今夜だけ浮かれたかった
ねえ このまま帰るの

誰にでも話せるような 思い出作りはしたくない
「どうしたの」と訊かれたら
笑ってしまう自分 きらい

ああ 恋が漂うロータリー
ひとり ひとり バイバイ
ねえ わたしの精一杯は
こんなものなのか いや、いや…

今夜だけわがまま言えば あなたと見つめ合いたいよ
今夜だけわがまま言えば 星空を見なくて済んだ
今夜だけ浮かれたかった 胸の奥底に沈めた
今夜だけ浮かれたかった 想いを見せるはずだった
今夜だけ、今夜だけは

浴衣を着なかった理由(わけ)
まぶたを刺す髪の毛
どうしたら輝けるの? 泣きたいわ
気づいてくれなきゃ いや、いや…

今夜だけわがまま言えば あなたと見つめ合いたいよ
今夜だけわがまま言えば 星空を見なくて済んだ

今夜だけ浮かれたかった 胸の奥底に沈めた
今夜だけ浮かれたかった 想いを見せるはずだった
今夜だけ、今夜だけは
今夜だけ、今夜だけは

なんでもないよ さようなら
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