風の舞う港から

何をこんな遠く逃げて
来たのだろう一人 淋しそうな姿
鈍色の浜に立つ 細い後ろ影
風の舞う港から
カモメ 傷をいやして
飛んでゆけ 思い出は海に沈めて

旅は捨てるはずの過去を
時に飾りさえも つけて連れて来るよ
見も知らぬ悲し気な 姿胸を打つ
風の舞う港から
浮かぶ面影ひとつ
その頬に光るもの おまえの涙

風の舞う港から
カモメ 俺も帰ろう
うつむいた あの頬の涙ぬぐいに

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