乙姫川

川面に震える 水草(みずくさ)と
同じ姿ね この私
今度こそはと 信じた人を
涙で送った お假屋橋(かりやばし)よ
あきらめきれない あなたを今も
乙姫川(おとひめがわ)は ひとり川

あなたを忘れに 来たものを
浮かぶ面影 水の上
熱いあなたの 吐息の波に
溺れたあの日は 還(かえ)らぬ夢か
良い事ばかりの 思い出抱いて
乙姫川(おとひめがわ)は 未練川

心を重ねて 愛しても
なぜに幸せ つかめない
恋にやつれた 女の胸に
川風ヒュルヒュル 冷たく沁みる
も一度あなたに 逢えるでしょうか
乙姫川(おとひめがわ)は 一途(いちず)川
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