かんかん蟲は唄う

世界五大洲 果(は)てから果てへ
船は浮気な 吹く風次第
帰る塒(ねぐら)の この浮寝鳥
港みなとの 潮垢(あか)おとす
カンカン虫は 可愛いゝね
煤(すす)で黒うてもよいをとこ

一度てがけりゃ 忘れぬお前
野暮なドックで また逢ひ戻り
錆をおとして 紅かねつけりゃ
出船別れの 名残が惜しい
カンカン虫は 可愛いゝね
煤(すす)で黒うてもよいをとこ
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