発熱

薬が効いて まぶたが重くなったら
記憶がひとつ空中に浮かんでいる
あなたがいなくなったあの日に
はじめて気付いたこと

空気が乾き 声が出なくなったら
誰がそのとき 僕の名を呼ぶのだろう
冬が始まる前のあの日にもう一度 戻れたなら

体の熱が何もかもを奪っても
大事なことが最後に引っかかっている
あなたがいなくなったあの日に
はじめて気付けたこと
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