砂雪

僅かに 積もる雪の
縁にしゃがみ 自画像を描いた

指先から 流れる
鉄の匂う 言葉で色を添えて

縁もゆかりもない場所が 今夜は愛おしいんだ

微かに 犬が吠える
雪が少し 舞うようになるぞ

さっきから 指で書いた
顔や文字が 白くなって消えてゆく

数を数えたなら 眠れるな

明日には 変わる事が
あると思う それを書いてみた

目が覚め 砂の粒に
埋まりながら 犬になって波に濡れ
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