バッカス

焼け崩れても懐かしい 古い小さな横町の
わきを黄色い電車で ゆっくり通り過ぎていく
その昔人はあたたかく 思いやりもあったと
独り言が止まらない 男と同じ車両で

中途半端な時間に 中途半端な用事で
電車を降りた俺は なのに急いでる
その昔君は白か黒で 灰色は持ってなかったな
後ろから俺の声がして ちょっと振り返る

バッカスの隣の席に空きはあるかい
明日をよ 笑いあえる席はあるかい

寂しがりやの彼女が 彼を寂しがらせてる
バランスがとれない わかってるのにとれない
8グラムのプラチナに 泣いたり泣かされたり
バランスがとれない わかってるからとれない

バッカスの隣の席に空きはあるかい
明日をよ 笑いあえる席はあるかい

四六時中追い立てる この灰色の時計は
いつからか残りの 数しか刻みゃしない
初めから手ぶらで来たんだぜ 何を恐れてる
もっとドカッと行こうぜ こんなクソ時計ドブにくれてやれ

バッカスの隣の席に空きはあるかい
明日をよ 笑いあえる席はあるかい

迷うべくして迷う くだらない俺を切る
せっかくのチャンスだ 手を上げようぜ

バッカスの隣の席に空きはあるかい
明日をよ 笑いあえる席はあるかい
バッカスの隣の席に空きはあるかい
明日をよ 笑いあえる席はあるかい
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