風の回廊

締め切った窓を開け 風を誘い入れる
灯りともる事ない 故郷の家

想い出たどる様に 忘れものを探せば
古びたアルバム達 そっと眠ってた

分厚いページ モノクロの写真には
母に抱かれた 幼子の僕

裏木戸を叩くように 通り抜ける北風
すべてをいざなう様に 空へ翔けてく

お帰りなさい その言葉の温もり
大好きだった 子供の頃から

声 聞こえた気がして 振り向き探しても
主 亡くした時計 刻む音だけ

風の回廊 あの空へ続く道
いつか逢えるかな 大切な人に

坂道を降りながら 深呼吸したなら
森の風達 僕に囁きかける
傍にいるよと

いつもいるよと…。
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