いたわり坂

嵐のあとが 雨になり
晴れると思えば 風が吹き
笑ったつもりが 泣いていた
ねえあなたー
ずいぶん歩いて 来ましたね
息を とゝのえ ふり返る
石ころだらけの いたわり坂よ

痛かろ指に 血がにじむ
わたしは平気よ それよりも
あなたが倒れちゃ 嫌ですよ
ねえあなたー
縁とは不思議な ものですね
頑固男と 意地っ張り
おんなが寄り添う いたわり坂よ

千尋(せんじん)下の 深い谷
万丈(ばんじょう)はるかな 岩の山
ふたつを織り成す 白い雲
ねえあなたー
人生墨絵の ようですね
登りつめましょ 百までも
これが夫婦の いたわり坂よ
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