HON-NE

小雨模様の夕暮れ 成田を発つあたし
見送りの友達とラウンジに
きのうあなたを見ていた 切れ長の瞳を
心の奥に秘めてた情熱
冷えきったあなたの手を つつみこみ 温める
せめてそんなふうになりたい
あたしの本音
優しい人には会える でも恋はもう終わりね
あたしの前を 素通りしたのが
あれが恋なら
手を振る友達からの小さな赤い花束
薔薇がやけにきつく香る
さよならね

さてとあたしはいったい どんな国に行くの
シートベルトはめたら忘れよう
ずっとあなたを見てきた うしろ姿ばかり
涙なんか浮かべて 見てたのさ
ふざけたふりでキスして 嫌がられ笑われる
たとえそんなふうでもいいよ
あたしの本音
二度とあなたに会わない 決めたの これからのあたし
知らんぷりで消えていったひどい男さ
いつの間にかしおれてた花束まるであたしね
薔薇がひらり膝に落ちる
おしまいね
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