東京サマーセッション

「やあこんにちは」
「こんにちは」
「ねえ調子どう?」
「普通かな」

「花火大会が来週あるんだってね」
「あーゆー人が多いの俺は苦手なんだよな」
「あーあ それじゃ誰か他をあたってみっか(怒)」
「やっぱ楽しそうだな結構行きたいかも(汗)」

「のど渇いたな」
「これ飲めば?」
「これっていわゆる間接キッス?」
「…意識した?」
「…意識した」
のどは渇いたまんま

待ってる左手にほんの少し触れてみる
繋ぎたい繋ぎたいだけどポケットに隠れた
ほんとは気づいてるほんの少しで届く距離
繋ぎたい繋ぎたい本音背中に隠すの

「何怒ってんの?気に障ることしましたっけ?」
「ヒント:なんか今日は違う気がしませんか?」
「わかった!気にしないでいいよ太ったこと」
「殴るよ?15cm切った髪に気づけ」

「お腹空いたな」
「これ食べて」
「これっていわゆる手作りクッキー?」
「…夏なのに?」
「夏なのに」
のどが渇きますね

ほんとは気づいてるほんの少しで届く距離
繋ぎたい繋ぎたい掴む袖口引いてみる

綺麗だね
綺麗だよ

遠くから見てただけの花火が今目の前に
時を止め帰りたくないよね今日は

「…好きかもね」
「…好きかもね」

待ってる左手にほんの少し触れてみる
繋ぎたい繋ぎたい君を黙って奪うよ
ほんとは気づいてるほんの少しで届く距離
繋ぎたい繋ぎたいぎゅっと握り返すよ
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