テーブル

種のないブドウを買いそびれた日の夕暮れは
いつもよりすこし冷たくて

きみは家でコーヒーを眺めてため息をついている
その色はというとすこしあたたかい

ふたつが重なることはない
どうしてもそれぞれは
なくなるコーヒーを見て歌おう

困ったほど遠くに眠気は通りすぎた
花瓶の成りたちを目にしてはあのテーブルに

置いた君のことを考える
バスが泊まる車庫の中
繰り返される配置を確かめながら
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