青い面影

二ツの乳房と五ツの爪あと
愛の証しの熱い香りは
部屋の片隅に石コロのように
今は冷たくホコリにまみれ
なのに胸が胸がきしむ
なのに胸が胸がきしむ

二ツの唇が吐き出したもの
炎のゆらめく愛の言葉も
耳の奥底に静かに眠る
赤く重たく錆びついたまま
なのに胸が胸がきしむ
なのに胸が胸がきしむ
壁の割目に塗りつぶされて
何も語らない青い面影
閉じたまぶたにも浮かんではこない
心の鎖の切れたふたり
なのに胸が胸がきしむ
なのに胸が胸がきしむ
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