愁冬歌

落葉をまくらのさすらい人に
どうして愛など語れよう
なにも言わずに手編みのセーター
おいてしょんぼりふりむいた
瞳かなしい秋の夢だよ

枯れ枝あつめて炎にしても
燃えずにくすぶる影ひとつ
胸のすきまを吹くこがらしに
ゆれる青春抱きしめりゃ
星も泣いてる冬の夢だよ

帰りの切符をやぶって捨てて
泣いてるうなじのいじらしさ
たとえひと晩夜空をこがし
草のしとねに燃えたって
線香花火の夏の夢だよ
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